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311help.com — 発災20時間後のドメイン取得と、必要物資マップ
2011.03.14

2011年3月11日、東日本大震災。テレビの前で「何かできることはないか」と考えていた人は多かったと思います。私たちはWebの会社なので、Webでできることをやることにしました。
311help.com のドメイン取得日時は、whois の記録に残っています。2011年3月12日 11時06分(日本時間)——発災からおよそ20時間後。何をどう作るか固まるより先に、手が動いていました。そこから間を置かずに公開したのが「必要物資・支援要求マップ 311help.com」です。
どんなサイトだったか
地図の上に、必要な物資や支援の要求を誰でも書き込めるサイトです。
- 被災地の方(あるいは現地のボランティアの方)が、「どこで」「何が」足りないかを地図上に書き込む
- 支援する側は「米」「毛布」などのキーワードで検索すると、それを必要としている地域が地図上に表示される
- 書き込みは時系列でも一覧でき、届け先の連絡先も添えられる
地図のピンは「支援要請」「支援意思表明」、そして「解決」の3種類。要請が解決に変わっていくことを願い設計しました。
当時、支援物資の「送りたい」と「足りない」のマッチングは大きな課題でした。個人がやみくもに物資を送ると現地の負担になる一方で、自分で物資を運ぶ人たちには「どこで何が必要か」の情報が決定的に不足していた、その隙間を埋めるための地図でした。
公開当初は地図と注意書きだけの素朴な1ページでしたが、走りながら携帯サイト、海外の方向けの英語ページ、寄せられた感謝のメッセージのページと育っていき、ネット上で知り合った顔を知らないイラストレーターさんから送ってもらった「みんなで笑顔をとりもどそう!!」をサイトに掲げました。
覚えていること
サイトには、いま読んでも当時の緊張感が残っています。「入力した個人情報は全て公開されますのでご注意ください」「被災地の通信は非常に不安定です。混線させるような行動に出ないよう、ご注意ください」——緊急時のWebサービスは、機能よりも先に、こうした注意書きになりました。
ありがたかったのは、協力の輪が広がったことです。東北学院の高校生が賛同して広めてくれて、その行動が記者の方の目に止まり、河北新報にも「物資運搬効率的に」と取り上げてもらいました。ほかにも複数のメディアやWebサイトが紹介してくれて、「ガラケー版を作ります」「他のマップとデータ共有を進めます」と、今後の予定を書きながら走り続けた記憶があります。
いま振り返ると
このサイトが実際にどれだけの物資を動かせたのか、正確なところは分かりません。ただ、「困っている場所、助けたい人を、情報でつなぐ」というのは、規模こそ違え、いまの私たちの仕事と同じ形をしています。
サイトは役目を終えて閉じましたが、311help.com のドメインは、いまも手放さずに持ち続けています。非常時に自分たちの技術で何ができるか——その問いを、忘れないためでもあります。