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話して採点くん — 自己紹介をジジイに採点させて、殴る
2026.05.27

マイクに向かって自己紹介やピッチを話すと、リアルタイムで文字起こしされ、ボタン1つで「採点ジジイ」という妖精のジジイが聞き手目線で判定してくれるツールを作りました。名前は「話して採点くん」。
きっかけは交流会のです。良い人でも、良い事業でも、伝わらなければ流れて終わる。自己紹介が「なんかAIの人」で終わって紹介されない。「DX支援」「業務効率化」みたいな抽象語が煙幕になって、聞き手の脳に置き場所ができない。そして、自分の話を客観的に見る場が意外とありません。
採点するのは「紹介可能性」
このツールが採点するのは、話者の人格でも事業の良し悪しでもなく、伝え方だけです。中心に置いた指標は「紹介可能性」——聞いた人が、別の誰かに何と言ってこの話者を紹介できるか。交流会の成果は本人が話した瞬間ではなく、後日「そういえば◯◯な人がいてね」と紹介された瞬間に出る、という考えです。
だから結果には「第三者はあなたをこう紹介する」という一文と、レーダーチャート、そして「交流会生存率」(次の話や唐揚げに上書きされずに記憶に残る確率)が出ます。
技術の話:LLMは点を中央値に寄せる
作っていて一番面白かったのはここです。最初は1人のLLMに100点満点で採点させていたのですが、弱いピッチにも60点、良いピッチにも75点、みたいな「当たり障りのない先生」になってしまう。LLMの採点は中央値に寄るんです。
そこで、明瞭性・具体性・紹介可能性・記憶定着性など7つの軸それぞれに専門の採点者(LLM)を用意して並列に走らせる構成に作り替えました。各軸100点、合計700点満点。総合点はLLMに出させず、サーバー側で合算します。1人に全部見せて「総合何点?」と聞くと丸くなる点が、「おまえはこの1軸だけを見ろ」と分業させると素直に尖ります。ちなみに各軸には「歴史に残る一級品」にだけ許される101〜120点の突き抜け枠もあります。滅多に出ません。
採点ジジイという緩衝材
採点には本質的に否定が含まれるので、受けるほうはストレスです。それを和らげるのがキャラクターです。
ジジイは「じゃ」「おぬし」の古風な口調で、ムカつくが言っていることは正しい、という温度で喋ります。ただし人格・能力・ビジネスそのものは絶対に裁かない。抽象語には「煙幕じゃ」と指摘しつつ、必ず本文中の該当語を引用して、対象+状況+変化を補った言い換え案まで出す。そしてSランクを出すと、なぜか全部「わしが育てた」ことになります。ネタバレですね。まあいいか。
さらに、結果画面のジジイはクリックで殴れます。「ぐえっ。だが採点は変わらんぞ。」と言い残し、720°回転しながら飛んでいって二度と戻ってきません。採点は変わりません。
早速交流会で試してみたところ、辛口の判定が出るたびにジジイが殴られて飛んでいき、終始穏やかな雰囲気で判定が進みました。採点ツールの本体は採点ロジックではなく、結果を受け取ってもらう方法なのかもしれませんね。